大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1564 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人斎藤和洲の上告趣意について。

記録によれば、弁護人は原審公判廷において被告人の性格家庭の事情等について、

被告人の実父と親交あるA及び被告人の実母Bを証人として申請したが、原審はそ

の申請を却下して証人調をしなかつたことは所論の通りである。しかしどの程度に

証人調をするかは事実審たる原裁判所の裁量権に属するところであるから、弁護人

が右両名を証人として申請したにもかゝわらず原審が右申請を却下して証人調をし

ないで被告人を処断したからといつて原判決には毛頭審理不尽の違法がない。され

ば論旨第一点及第二点は結局事実審たる原裁判所の裁量権に属する事実認定乃至刑

の量定を非難するに帰するものであつて、上告適法の理由とはならない。故に論旨

第三点は何等具体的の上告理由を主張していないから採用することができない。又

刑の執行猶予の言渡をするか否かは、事実審たる原裁判所の裁判権に属するところ

であるから、たとい被告人の本件犯行の動機、犯行後の改悛の状況家庭における被

告人の立場等が所論の通りであるとしても、原審が被告人に対して刑の執行猶予の

言渡をしなかつたからといつて、原判決にはいささかも違法のかどはない。論旨第

四点は上告適法の理由とはならぬ。

よつて刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二四年三月三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

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裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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